晴美制作室 株式会社

16.11.20071931年パリ。マンダラ翁とラヴィ・シャンカールは出会っただろうか?!

10月21日の日曜日、EMITANに誘われて下高井戸シネマに『地球交響曲ガイアシンフォ二ー第6番』を見に行った。今回のテーマは「音」。渺渺たる平原の映像に、虚空を震わす弓の音から始まった。つぎにナーダ・ブラフマー(音は神なり)のテーマへと続くが、ラヴィ・シャンカール(シタール奏者・インドの古典音楽を復興させた)が登場したのに驚いた。まだ存命だったとは! 取材の時は86歳か? それ以上に驚いたのは、シャンカールが1931年のパリ植民地博覧会にインドから踊り手として出演し、それがきっかけで世界を巡演するようになったと語った時だ。

『地球交響曲ガイアシンフォ二ー第6番』
『地球交響曲ガイアシンフォ二ー第6番』

『踊る島バリ』のマンダラ翁の初めての海外公演も、この1931年の植民地博覧会である。マンダラ翁は26歳、シャンカールは11歳。花の都パリで、見世物にされる側とする側の双方がカルチャーショックを与え合い、その後の文化に大きな影響を与える――想像するだけでもおもしろい!(もちろん、当時パリで斬新なドレスを次々と作りだしていたヴィオネも、それらの公演を見たはずだ)

もう一つ驚いたこと。ザトウクジラが高周波で歌うことは知られているが、そのことを発見した海洋生物学者ロジャー・ペイン博士によると、歌の形式はソナタ形式に非常に似ていると言う。また歌は徐々に変化し、複雑になると他のクジラに伝えやすいよう韻を踏むという。おー、まったく驚きだ。地球は神秘の宝庫ですね。クジラは今、何を歌って(語って)いるのだろうか、その意味を知ることができたなら!

EMITANはウサギを飼っている。ウサギは声を出さないが、感情豊かで、気まぐれだ。ベランダでじっと夜空の月を眺めていることもある。きっと、どこかと交信しているに違いない。その言葉を知ることができたなら!

映画終了後、短時間だったが、監督の龍村仁さんの撮影裏話があってとてもおもしろかった。67歳。ますますお元気である。客層がやや高齢なのが気になった。小学生だってなにかを感じ取れるはずだ。是非見に行って宣伝してください。

(東海晴美)